使いづらいけど多機能 vs 使いやすくてシンプル
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私たちロイロは使いやすいツールを提供しようと日々がんばっています。
でも、ふと考えると、使いづらくても多機能なツールの方が市場で成功している例が多いのではないでしょうか?
Officeは死ぬほど使いづらいのに、多くの企業で標準的に使われ続けています。しかも10年以上大きな進化がありません(というか進化も望まれていないようです)。
3DソフトやAdobeのソフトウェアはボタンの山です。
Salesforceは無駄な項目がとっても多くて使いづらいなんてもんじゃありません。導入支援企業によるカスタマイズ前提の設計です。
Zoomも何じゃこれってぐらいすごい数の設定オプションがあります。
単純に使いやすい方が良い、というわけではないのかもれません。
なぜ使いづらいが多機能ツールがビジネス的に成功しているのか、分析してみましょう。
出来る vs 出来ない
シンプルで使いやすくても、できないのは困ります。
多機能 > 使いやすさ
特に仕事の場面では顕著です。
使いづらい方が、周辺ビジネスが賑わう
導入支援・カスタマイズ
導入自体が難しいので、それを外注することが商売になります。
資格
資格が必要ということは、学んだ人しか使えないものです。
資格取得のための学校など周辺ビジネスが生まれます。
使いづらいのは慣れが解決する
直感的でなくても勉強すれば、どうにかなります。慣れます。
慣れた人に頼める。頼むから仕事になる。難しいから仕事になるのです。
変えられない圧力は日に日に高まる
すでに操作を覚えている人にとっては、仮に使いやすくなっても変更されること自体が悪です。
難しいことが出来る人は偉い
スポーツとかはそうなんだけど、この場合はモヤモヤします。
わざわざ使いづらくなっているものを使えるのは偉いのか?
まとめ
使いづらさはユーザー側である程度どうにかできるし、慣れます。出来ないのは困ります。
結果として多機能な方が勝ってしまうのかもしれません。
使いづらくても成功する条件
でも、いまからオフィスソフトを作っても見向きもされないのでしょうか?
さらに多機能なオフィスなら使いづらかろうがある程度受けそうな気もします。
使いやすさは製品の品質を決める1つの要素ではありますが、ビジネス上は他の方法で代替え可能ということなのかもしれません。
使いやすいからこそ成功した例は?
スマートフォン
いままでPC使えなかった層までインターネットが普及しました
タッチで直接的な使用感で動作が安定しているから使えました
PCのマウス、キーボードはリモコン的、間接的な操作なので直感的になるまで訓練が必要。=難易度が高い
OECDの国際成人力調査によると、会議室予約の申し込みメールを処理することが出来る人が8.3%しかいなかったそうです。
(最近はジェスチャーがわけわかんないことになってますけど…)
TickTok
TikTokは動画コンテンツを作る敷居を徹底的に下げています。純粋にすごいです。
ロイロノート・スクール
手前みそです。
死蔵されるのがあたりまえの学校現場で、どうにか活用されています。怖くないのです。
使いやすさよって成功した時の共通点
使いやすくなったことによって新しいユーザー層を開拓できていることが共通点です。
逆に言うと、あたらしいUIなどで使いやすくなった製品は、既存ユーザー層をターゲットにしてはダメなのかもしれません。